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 Masahiro Ota

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Chartreuse Popper.
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フレッド アボガスト FRED ARBOGAST

■FLY ROD HULA POPPER (Plastic Injection Molded)  circa 1952


1948年ごろからキャスティングサイズなどと共に、一時、射出成型によって作られていたフライロッドフラポッパーがこれです。
ずんぐりとした厚みあるボディに大きく口を開けたカバのようなデザインが特徴。カッピングのエッジが非常に鋭く、欠けないように硬く丈夫なプラスチックで作られています。そのためか全体の重量が約3gと、コルクタイプより1グラムほど重く仕上がっています。
フレッドの死後、1957年に社長に就いたディック・カーチスはバスバギングがとても好きだったと言われており、この樹脂製の3g近いフラポッパーは気に入らなかったと思われます。その証拠に、彼の経営のもとで1960年ごろから新たなコルク製のフライロッドフラポッパーが復活することになります。その一方で樹脂製のフラポッパーはデザインを変え、スピニング用の1/16oz.として長くフラポッパーのラインナップに加わることになります。


■HANK'S Dry Rind Frog #2 circa 1990's
このフロッグ、現在は"Dry Rind Frog Popper"という名でオービス社から販売されておりますが、アーボガスト時代のパッケージにはしっかりと"HANK'S FROG"と書かれています。つまり、本来はHANK ROBERT'S社のオリジナルフロッグだったということです。実際に平たくトリミングされたボディやブタ皮を使った足などは、非常にオリジナリティが高く、アーボガスト社がHANK ROBERT'S社を買収した1991年以来、少なくとも20年以上そのままのデザインで生産されてきたことになります。一度自分でも巻いてみたいフロッグのひとつです。パターンの名称は、やはり"HANK'S Dry Rind Frog"というのがいいと思います。




■HANK ROBERT'S HAIR BUG circa 1990's
フレッドアーボガスト社が1991年に買収したHANK ROBERT'S社のヘアバグ。


洋書「FRED ARBOGAST STORY」によれば、アーボガスト社は1990年以降、コスト削減のため、アクロン工場での製造を、海外のより安い労働力にシフトしたいと考えていたようです。その手段として、当時ガテマラに製造工場を持っていた完成品フライメーカーHANK ROBERT'S社を1991年に買収しています。そこで働く女性工員にジッターバグ等の塗装、組立作業を指導し、現地生産を確立する予定があったのです。その一方で完成品フライメーカーを吸収することで 、フライ部門における商品ラインナップを拡張し、HANK ROBET'Sブランドで完成品フライを販売する狙いもあったと考えられます。当時のROBERT'S社で巻かれていたバスフライは、ガーバブルバグをはじめ、ダイバー、マウス、ヘアフロッグなど6種類あり、これらのバスフライはBett'sタックル社にもOEM供給されていたようです。http://www.bassfly.com/oldbassfly/betts/betts.htm

■FLY ROD HULA POPPER 1/24oz . Feathered 1990's


アーボガスト社がROBERT'S社を買収した1990年ごろ、ガテマラ工場の影響か、一時、フライロッドフラポッパーはマラブーテールのフェザードタイプが登場します。フラスカートをマラブーに変えるというリニューアルは、お世辞にもセンスが良いとは思えませんが、他の釣具メーカー同様、この頃のアーボガスト社も、おそらく低コスト路線を突っ走っていたと思われます。結果的に海外生産はうまくいかず、1997年にPRADCO社に身売りすることとなります。そういう意味でこのフェザード・フライロッドフラポッパーは、プラドコ前の純粋なアーボガスト社の最後のフライロッドフラポッパーということになります。


■FLY ROD HULA POPPER 1/16oz.FL circa 1975


ジッターバグのフロックドカラーなら見たことがありますが、フライロッドフラポッパーにこのようなフロックドカラーがあったとは驚きで、ebayでの激しいビッド合戦の末になんとか入手できました(笑)。このフラポッパーはフロックドブラックとフロックドブラウンの2個1セットで売られています。箱にはフラポッパー1/16oz.のプロダクトコードである"1000"とカラーコード"FL"とあるため、この箱に入って売られていたことは間違いないと思われます。ちなみにうろ覚えですが、子供の頃に渋谷のサンスイで箱に入ったフライロッドフラポッパーをボクは目撃したことがあります。日本にはこういう形で入っていたのかもしれません。


■FLY ROD HULA POPPER 1/24oz.CR

これも、あまり見たこともないCR(クローム)カラーのフライロッドフラポッパー。パッケージからして、たぶん1965年ごろのものではないかと思われますが、定かではありません。
 ちなみにフライロッドフラポッパーのカラーバリエーションは、カタログによれば、発売当初はレッドヘッド、ブラック、フロッグ、イエローの4種類しかなく、1950年代中ごろになると、これにパールカラーが加わり、さらにその後の1979年のカタログでは、コーチドックとチャートリュースが追加になっています。


■FLY ROD HULA POPPER FROG circa1950


↑は1950年頃のフライロッドフラポッパーフロッグカラー 1/16OZ.と同梱のポケットカタログ。このカタログで使用されているキャッチコピーは"YOU NOW HAVE ONE OF THE WORLD'S MOST EFFECTIVE BAITS"とありますが、それがいつごろからか、"WORLD'S BEST FISHING LURES"となり、ロゴマークに"BAIT OF CHAMPIONS"というフレーズが使われるようになります。この"BAIT OF CHAMPIONS"というフレーズは、現在においてもロゴと共に使われていて、アーボガスト社のロゴの一部となっています。なお、ボクが持っている1962年のカタログにも、既に"BAIT OF CHAMPIONS"というフレーズがロゴに使用されているので、おそらくは画像左のフラポッパーも1962年頃のものではないかと思われます。パッケージがカード&セロフィルムから、こういうブリスターパッケージに変わったのも、おそらくこの頃からではないかと思います。

■FLY ROD HULA POPPER 1/16OZ. circa1962
フライロッドフラポッパーフロッグカラー
ブリスターパッケージ



■ HULA SKIRTS
フレッドアーボガスト社の有名なフラスカート。1930年代中ごろに、薄いラバーシートをカットして、アーボガスト氏自身が考案したと言われています。これが初めて取り付けられたルアーが1936年のハワイアンウィグラーで、1938年にはパテントを取得してます。このフラスカートによってアーボガストは広く有名になり、その後もやたらフラスカートを取り付けた新製品が発表されています。フラダンサー、フラポッパー、アーボガスター、スパターバグ等々。このフラスカートなしに今日の"BAIT OF CHAMPIONS"はあり得なかったでしょう。ちなみに左の画像は1970年ごろの別売スカートセールボード。ADD LIFE・ACTIONの下に、"BEAT BUCKTAILS, FEATHERS,OR PORK RIND"と書かれていて、明らかにフェザーテイルの代替用途として発売されていたことが分かります。





■AFTER WWU FLYROD HULA POPPER circa 1946-1948
第二次世界大戦後の1946年から1948年ごろに作られたと思われるフライロッドフラポッパーのセカンドモデル。ヘッドは初期型同様V字にカットされていますが、カッピングは彫られていません。1/16オンス。75セント。2セント値上げされてます。なお、フラポッパーのヘッドの材質は発売から現在まで、ずっとコルクが使われています。



なお、カードの裏面には以下の説明書きがあります。

新しいフラポッパーは、ご高齢のバス様をも十分に魅了するノイジーさと
大きさを備えています。フラポッパーは一般的なバスバグがやっているような
単なる投げ返し(時代の遡り)とは違います。ラインまたはロッドをジャーク
させたとき、マウスの切れ目からは大きなポップ音(ひどいゲップ)を発生
させます。しかしそれだけではありません。じつは水面でのポーズ中にも
ラバーレッグはゆっくりとくねっているのです。
ノイジー音+アクション=バス。
表示した絵はラバーレッグを逆さに付けた状態です。


■PERFECT BASS FLY LEADER 1970
アボガストのバス用テーパーリーダー。1970年にすでにナイロン製のテーパーリーダーが発売されていたことがわかります。長さは8フィート、ティペットは15ポンドで先端にはスナップが付いています。
オールドバグスタイルにこだわるボクとしては、こういう商品がアーボガストにあったというだけで、今後ティペットにスナップを付けて釣りをしようかと思ってしまうのであります。



■WWUFLY ROD HULA POPPER circa1940-1945
プラグに先行して第二次世界大戦中にデビューしていたフライロッドフラポッパーの最初期モデルと当時のポケットカタログ。ヘッドはコルク製で前面はV字型にカットされ、深いカッピングが彫られています。1/16オンス。
72セント。



■HULA SPINNER (Fly Rod) 1940年代のアボガストのフラスピナー



■FLYROD HAWAIIAN WIGGLER 1950's
1950年代のフライロッドハワイアン1/16OZ。このルアーはアボガストが取得したパテントのフラスカートをとても ストレートに表現しているルアーに思えます。バズベイトの先祖は多分これでしょう。アボガストのアイディアにはへドンとはまた違ったオリジナリティを感じます。







■1940年代のハワイアンウィグラーの広告
オッパイを出したフラダンサーを一人の男が嬉しそうに覗いています。その下には、フラスカートに誘われたバスが、ハワイヤンウィグラーを追いかけています。バスルアー特有のシャレの効いた広告です。


■FLY ROD HULA POPPER 1950's
1950年代の1/16オンスフライロッドフラポッパー。


■FLY ROD HULA POPPER 1948-1950
ブラック/ホワイト/イエローアイのフラポッパーインパッケージ。 中には1949年コピーライトのアボガストポケットカタログが入っています。当時の価格で75セント。

カードの裏面↓



■FLY ROD HULA POPPER 1960-1970
1965年頃と思われるフラポッパーのフロッグカラー。1/24oz.。フラスカートは自分で取りつけるように別体式となり、パッケージもコンパクトになっています。この頃のカタログを見るとフラスカートが単品でも発売されています。


■FLY ROD JITTERBUG 1960's
ジッターバグシリーズ中で最も小さいジッターバグ。 ボディ長3cm 1/16oz. リップはプラスチック製で、フックはダブルフックとなっている。

■FLY ROD TIN LIZ 1940's
フレッドアーボガストの最初期のルアーであるTIN LIZのフライロッドサイズ。ジュラルミン製で1/64oz.




Chartreuse Popper