釣行記 リストへ戻る
今回は、かなり遅ればせながら、 昨年7月に野池でウンデッド・ミノーをテストした時のレポートです。 これがウンデッド・ミノーです。↓ じつはこのフライロッドルアーは、クラブカスケットさんの トップ堂の取材用に作ったものなんです。 だから最初からパフォーマンス重視で、釣果的なことなど あまり考えに入れず、こんなビンテージフライロッドルアーがあったらいいなぁ、 もうそんな感じで6個だけ作ったのでした。 そして、トップ堂の32号に掲載され、 友達からメールがきて、面白いから俺にもぜひくれ! というので2個送って、結局、手元には一個しか残らなかった。 ↓トップ堂32号の記事。 写真左の一番下にあるのがウンデッド・ミノー。 ルアーをヒントにしたこういうアイデアって、簡単に思いつくのですが、 意外にちゃんとしたものを作るのは難しい。 プラグと違い、フライは比重が軽いので、とにかく微妙なんです。 水平に浮くのはもちろんのこと、重心も安定させないといけない。 そうしないとペラがちゃんと回転しない。 そこで大昔のフライロッドルアーを参考にした。 ↑フルーガー社のフライライト じつは、こんなフライロッドルアーが昔はあったのです。 ということで基本構造は、これを真似して作りました。 ポイントはシングルフックをぶら下げることで重心が下になり、 ボディが安定して、ペラもちゃんと回るようになったということ。 ちなみにペラはアルミ製でスローでもよく回転するし、 断続的に引いてもビョ!ビョ!っとレスポンスも良くなった。 ということで早速、近所の野池で実釣テスト! 結果は予想通り、爆釣。 いつもバスバグとポッパーばかり使っているので、 こういう変りダネで釣れるのはとにかく楽しい。 ビョビョビョビョビョ〜と、スプラッシュさせてポーズ。 また、ビョビョビョビョ〜...。まさにストップ&ゴー! ほとんどプラグ感覚で楽しめる。口の小さいブルーギルまで釣れた。 シングルフックの割りにフッキングは良好だった。 ただ、ショートバイトではやはりフッキング率は悪くなる。 そこで、トレブルフックに交換してみた。 すると、当然のことながらフッキングはかなり良くなった。 ゴボン!と、出ない場合でも、すぐ後ろでウロウロしているうちに フッキングする、そんな感じだった。 フライとルアーの違いって、じつはこういうところにもあると感じた。 基本的にフライというのは、魚がそれ全体を口に入れることを 前提に作られている擬餌針ではないだろうか? ところがルアーは必ずしもそうではないってこと。 これは大きな違いかもしれない。 考えてもみれば、普通フライはフックに巻く。 だからフックとボディは固定されている。 リトリーブ中のポッパーのフックポイントは、上向いたり、下向いたり、 ボディの動きにあわせて、いろんな方向を向くわけで、 バスがバイトした時、そのフックポイントが口に触れ、刺さるかどうか、 これは運であり、じつは誰も予想できないのだ。 フライの場合ただ一つ言えることは、 魚がフライ全体を一瞬でも口にくわえなければ、 フッキングはまずできないということ。 スレたバスは、ポッパーを一気に丸飲みしないことが多く、 直後でじっと様子を伺っていることがしばしばある。 仮にバイトがあったとしても、パフッと中途半端に吸い込んで、 ポッパーが一瞬ユラ〜と動いて終わり。 こういう状況って実際多いのは確かだ。 従って大型のフライであればあるほど、 このフリーセットフックが威力を発揮するのは間違いないわけだ。 つまりパフッと吸い込んだとき、針掛りする可能性が抜群に高いのだ。 じつはこのへんの話は、あのエンリコ・プグリシ氏も同じことを言っていて、 エンリコ氏のフレックス・ポッパーはその辺を考慮したバス用のポッパー として有名だ。 Enrico's Flex Popper ということで、今回もいろいろ能書きを垂れましたが、 要するにバスフライの世界はフライの枠を越えて何かを 試すことが、非常に楽しいってこと。 過去にもそんな試行錯誤的なフライロッドルアーは沢山あるし、 Fly Rodding for Bass という言葉からもそんな楽しさが聞こえてきそうだ。 これからも何か面白いフライロッドルアーを作ってみたい気がしてきた。 バスフライのアイデア、可能性って、まだまだ無限にあるような気がする。 おわり リストへ戻る |