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通常、釣行記は釣行した年月日順に書くのですが、 ちょっと今回は大変なことが起きたので、興奮さめやらぬうちに、 先日の琵琶湖釣行記を報告したいと思います。 帰りの大津駅にて。妙にニコニコしているボク。 じつは今回の琵琶湖釣行は、八代氏と結構前から計画していた。 前回の琵琶湖釣行が行き当たりバッタリで散々な目にあったから、 今回は地元のプロにバスボートでガイドしてもらおう。 最初はそういう計画だった。 ところが前日になって、かなり大雨が降り、 状況が最悪という連絡が入った。 この時点で、今回の釣行は中止になるはずだった。 しかし、せっかく平日に休みも取ってしまったことだし、 いまさら家にいてもしょうがない。 とりあえず、ロクマルが出そうな場所をガイドが教えてくれるというので まあ、あまり期待してないけど、とりあえず行ってみようか。 ということで琵琶湖釣行を決行したのでした。 ちなみに今回その貴重な情報をいただいたのは、 地元でもデカバスハンターとして知る人ぞ知る グリッドデザインの藤井氏である→琵琶湖今昔話 じつは藤井氏は八代氏の友人であり、かなりのトップ好きらしい。 で、普通、トップオンリーとかフライでバスとかいうと、 ガイドは嫌がりそうなものだが、このガイドは違うようだ。 八代氏によれば、そういう無理難題を言っても大丈夫とのことだった。 具体的に無理難題とは例えば以下のようなことだ。 「フライでロクマルを釣らせろ!」 「五十オーバーをトップで入れ食いにさせろ!」 「一日にロクマルを2匹釣らせろ!」 などなど、最近の釣り人はヘンなやつが多いから、 こういう無理難題も増えているらしい。 それに対応するガイドも大変なわけだ。 しかし実際に藤井氏はそれらを実現させるのだからスゴイ。 やはり持つべきものは友である。 ということで八代氏とオレ(大田)は藤井氏より受けたアドバイスをたよりに 南湖のとあるウィードエリアへと向かったのだった。 夜明け前の琵琶湖 まだ暗いうちから13フィートのカヌーに55ポンドのエレキで出船。 タックルは八代氏がベイトキャスティング、 オレは船首でフライキャスティングという具合だ。 八代氏はこの日のために琵琶湖に有効といわれている オリザラのメッキカラーを準備していた。 まだ暗いうちは、ビッグバド、そしてかなり明るくなってから オリザラのメッキカラーに切り替えた。 フィィィィィーン・・・・ジャボン ピュ、ピュ、ピュ、ピュ、 すさまじい首振りアクション。 よくまあ、あんなに首を振るものだと感心していると、 突然水面が割れ、バシュ!っとバスがヒットした。 八代氏: 「デカイかもしれない。」 バタ、バタ、バタ! ボク: 「うわ、マジでけー!」 暴れるバスを強引にネットに収め、引き上げた。 何と!55cmのランカーだった。 頭がデカく、ずんぐりとしたバス。とにかく体高がスゴイ。 嬉しそうな八代氏。 ちょっとピンボケだが、ザラはクチに真横に掛かっていた。 それにしても実に見事なランカーだった。 もう、この時点で、ボクも八代氏も、とりあえずコレが 今回のビッグワンだなと思っていたことは確かだった。 まあ、55cmなんて普段そう簡単に釣れるサイズではないし、 あと一時間位で日も昇ってきそうだったから。 なんとなくもうダメかなぁという感じだった。 実際に琵琶湖は晴れると釣れない。 確か前回はフローターでドピーカンの日中昼過ぎまでやって、 小バスが2匹釣れただけだった。だから日中はやりたくない。 やってもせいぜい朝8時ごろまでにしよう。 そう話しながら、藻穴にポッパーをキャストしていると、 ゴボ! ようやくもまともなサイズがボクのフライにもヒットしたのだった。 ちなみに今回使用したフライタックルは、以下の内容だ。 ロッド:スコットのファイバーグラス#8バスアクションモデル リール:ハーディーのマーキス#8#9 ライン:リーウルフのトライアイングル・バスバグテーパー リーダー:マキシマ0X7.5ft(ティペット16lb.) フライ:West's Popper(フォームヘッド#2/0のがまかつフック) ちなみにこういう場所ではラインは断然リーウルフのバスバグテーパーが良い。 これを使っていると、今までのバスバグテーパーが物足りなくなる。 通常のバスバグテーパーよりもシュート力が断然強いのだ。 だから琵琶湖のようなオープンウォーターには最適で、 風の影響も受けにくく、最後のターンでかなり伸びる。 逆に、立ち木とか、アシ際狙などには、 アキュラシーが要求されるので、そういう場所にはマスタリーの バスバグテーパーがいいと思う。 なお、今回は全て自作のフォームポッパーを使用した。 琵琶湖で絶対お勧めなのが、#2/0フックに巻いたWest's Poper。 このポッパーはベンドが重く、振り子のようになって、 突っ込んだ後の戻りが早く、ポップ音の歯切れが良いのが特徴だ。 ペタン、ペタン、ペタンと乾いた音がする。 ということで、初日前半の釣果は八代氏が55cm、ボクが40cm。 それ以外には30cm程度のバスが数匹釣れただけ。 意外に初日の朝は釣れなかった。 八代氏は当然ながらかなり満足げ。で当然オレは不完全燃焼。 とりあえず一旦岸に上がって食事&仮眠することにした。 ↑まるで祭壇の生贄のように眠るボク。 それにしても八代氏との釣行はいつも宿泊というものがない。 つまり、その辺の路上とか、公園のベンチ、車中、 最近では、民家の軒先、水面(ボート)、田畑、などなど 様々なところで眠ってしまう。 確かこのとき八代氏は、川の護岸の階段で棒状になって捨てられていたと思う。 なぜそんなところで寝るのか、もっといい場所が在りそうなものだが、 寝てしまうともうしばらくは起きないのだ。 結局まともに飯も食わず、次に起きたのは午後3時ごろだった。 八代氏:「飯でも食って予備のバッテリーでも買いに行くか。」 ということで、来来軒で食事をし、釣具屋でバッテリーを購入して 再び釣りを開始したのは午後5時を回ってからだった。 午後になると釣り場の状況はかなり変わっていた。 少し風が吹き、水面は若干波立っている状態。 そしてフライへの反応もかなりよくなっていた。 入れ食いというほどでもないが、35〜40cmがポツポツ釣れた。 しかもフライのみに反応し、プラグへのバイトはほとんどない。 八代氏:「フライばっかり反応があるな。まるでフライの独壇場だ!」 さっきまで、釣具屋で、ボクにザラスプークのメッキカラーを買えとまで言って いた八代氏であるが、意表をついたフライの逆襲に戸惑いを隠せない様子だった。 ボク:「ヘッ、ヘッ、ヘッ、フライの逆襲が始まりやしたぜ〜。」 実際、フライは釣れだすとホントにスゴイのだ。 考えても見れば、回り見渡しても、フライなんてやってるヤツいないし、 基本的に比重が軽いから、スレバスに効くのも当然だ。 そしてしばらくしてポッパーの着水とともに、 ガブー! まるでアマゴがドライフライを飲み込んだように、 バスが水面に顔を出してポッパーをさらっていった。 こういう出方も珍しい。 八代氏:「今のはデカイぞ」 ボク:「・・・・・・・(余裕がない)」 ボートの縁で下へ下へと潜り込む。 八代氏:「バラすなよ。」 無事ランディング ほぼ50cm。今回のフライでの最大サイズだった。 これくらいのバスが掛かるとフライロッドはとんでもなく面白い。 なんせ、ラインは手で繰っているので、左手は直接バスとつながっている。 さらにプラグのようにデカイ物がクチにくっついていないので、 バス自身の動きも自由でファイトもダイレクトになる。 この50cmを筆頭に、40cmクラスのサイズがこの後も釣れ続いた。 そして午後8時ごろ、完全に日も沈み真っ暗になった。 こうなると視覚的に有利だったフライはアピール度でプラグに劣ってくる。 それを知っているのか、八代氏はルアーを再びビッグバドに換え、 怒涛のプラグ再逆襲をしかけてくるのだった。 フィィィィーン、ドボン!カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、 フィィィィーン、ドボン!カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、 フィィィィーン、ドボン!カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、 すさまじい手返しと飛距離。 広範囲にアピールしているのは間違いない。 それに比べ、フライは地味だ。 飛距離も20m前後、手返しも悪い。 しかし、いま考えてみると、今回は逆にそれが良かったのかもしれない。 要はバスがポッパーの存在に気づいてくれればいいわけで、 それ以上にアピールさせる必要もなく、 あまり派手にアピールすると、逆に出が悪くなるのではないかと思う。 ちなみにポッパーのリトリーブの仕方は、 基本はデイブじいさんのストレートラインシステムを厳守する。 キャストしたら、ポッパーをなるべく動かさないようにラインスラッグを取り、 3回歯切れよくポッピングさせてポーズをとる。 基本的にこの繰り返しを行う。 そして午後8:30頃、そろそろ上がろうとしていた時のことである。 例によってキャスト後、ラインスラッグをすばやく取り、 メリハリのあるポッピングを3回行ってポーズをとった。 パコン、パコン、パコン・・・停止 ボッ! 太く短い捕食音がした。 八代氏:「なんだ今の、出たのか?」 オレ:「ああ、出たようだ」 八代氏:「掛かってるのか?」 オレ:「掛かってる、掛かってる」 そのバスはボートの方向にすんなり寄ってくると、 そのままボートの下を潜り抜け、反対側に強力に突進し始めた! オレ:「うわ、ヤバイ、ヤバイ、」 体制を入れ替えて、必死に耐えるが、すごいパワーだ。 仕方なしに左手で掴んだラインを少々緩めて対応する。 ロッドはカクン、カクンと、とんでもなくギクシャクしている。 一般的にこういう場合、ラインを全て巻き取って、 リールファイト&リムブレーキで対処するということは知っていたが、 正直言って、そんなことしている余裕は全くない。 そんなことをしているうちに藻に潜られてしまう。 相変わらずバスは藻に入ろうと何度も突進する。 その度にロッドを垂直に立てて阻止する。 また左手を緩める、ズルズル・・・カクン、カクン、カクン やり取りはこんな感じだった。 ネットを持った八代氏がシュアファイヤーの超強力ライトで 水面を照らす。 その時見た光景は今でも忘れられない。 八代氏:「なんだこりゃ!、すげーでけえぞ!」 そのままネットにどっさりと入り、ボート内に引き上げた。 八代氏:「こ・れ・は・・・・・。メジャーあるか」 ボク:「あるある。自分のがある。」 メジャーにのせると、目に入ってきたのは7という数字だった ボク:「・・・7・・・7ってどういうことだ。」 「これロクマルだ!」 八代氏:「待て、待て、ちゃんと計れ、クチを閉じて尾を広げろ、こういうふうに」 八代氏:「64cmだ、いや、64.5、もう65でいいんじゃない。」 ボク:「フライでロクゴーだ!やったぞ!やったー!やったー!」 本当にこう叫んでしまった。 こんなに嬉しいことが起こるなんて、信じられない! 夢にまで見たフライロッドで60オーバー! しかし考えても見れば、これも周りの人たちのおかげだ。 まず、八代氏と知り合っていなければ、 その日、琵琶湖に釣りには来ていなかったろうし、 友人である藤井氏にポイントを教えてもらうこともできなかったろう。 そういう意味で八代氏には本当に感謝しているし、 会ったことはないがレトロムの柘植ちゃんにも今回お世話になった。 そして普段四国で一緒に釣りにいく高知特派員の佐々木氏、 彼はオレより釣りキチなのでいつもモチベーションを上げてくれる。 みなさん本当にありがとうございます!!! これで「フライで釣れるバスは小さいというのはウソ! それは大きなバスを釣る努力をしていないから。」 という西山さんの言葉を少しは実証できたかもしれない。 ただし、こんなデカバスを釣ってしまうと、 この先どうなるのだろうかと少し心配になったりもする。 これまでフライでデカバスを釣るべく、それがモチベーションの源泉だった。 ところがどうだろう。ボクの住んでいる香川の野池には どう考えたってこんなデカバスはいそうにない。 以前に香川で64cmのバスが間違いなくいた池も知っているが、 そのバスは女の人に釣られて魚拓になっていることを 昨年突き止めた。 果たしてナナマルをこの先フライで釣ることはできるのか? 可能性は限りなく低いような気がするが、 まあ、あまり無理せず気長に楽しんでいこうと思う。 フライでバスは本当に楽しい。 おわり リストへ戻る |